AGA治療
男性型脱毛症(AGA)とは

男性型脱毛症(Androgenetic Alopecia:AGA)は、主に思春期以降の男性にみられる進行性の脱毛症です。前頭部や頭頂部を中心に、毛髪が徐々に細く短くなり、薄毛が目立つようになることがあります。
発症や進行には遺伝的背景や男性ホルモンの影響が関与すると考えられており、テストステロンから5α還元酵素によって生成されるジヒドロテストステロン(DHT)が毛包に作用し、毛周期の成長期を短縮させることが一因とされています。
その結果、毛髪が十分に成長する前に抜けやすくなり、細く短い毛が増えていくことがあります。
AGAは自然に改善することが少なく、進行する場合があるため、症状に応じて早めに医師へ相談することが望まれます。
女性型脱毛症とは

女性にも脱毛症がみられることがあり、女性型脱毛症として扱われます。頭頂部を中心に毛髪のボリュームが少なくなって地肌が見えやすくなることが多いですが、男性型脱毛症とは異なり毛髪が完全に抜け落ちることはほとんどありません。原因として加齢、遺伝的要因、ホルモン環境の変化、生活習慣などが関与すると考えられていますが、まだ十分には解明されていません。
しかし、男性型脱毛症と同様の機序が部分的に関与している場合もあり、その意味でFAGAなどと呼ばれることがあります。FAGAにもAGA治療薬が作用する可能性がありますが、女性に特有の重大な副作用(胎児の男性外性器発育への影響など)があるため、女性への使用には医師による診察と判断が必要です。
当クリニックのAGAおよびFAGA治療法のまとめ
| 治療法 (当クリニックにおける使用薬剤) |
AGA | FAGA (妊娠の可能性あり) |
FAGA (妊娠の可能性なし) |
|---|---|---|---|
| ミノキシジル内服 (M Tablets 1.25、2.5) | ○ | 慎重 対応 (※1) |
○ (※2) |
| フィナステリド内服 (F Tablets 1.3、3.0) | ○ | × | × |
| ミノキシジル/フィナステリド外用 (M/F HomeCare Gel) | ○ | × | ○ (※2) |
| ARA/デュタステリド導入 (ARA/D active Powder) | ○ | × | ○ (※2) |
| ミノキシジル導入 (Active Booster M 0.5%) | ○ | 慎重 対応 (※1) |
○ (※2) |
| 幹細胞培養上清外用 (StemProLotion) | 慎重 対応 (※3) |
慎重 対応 (※3) |
慎重 対応 (※3) |
| 幹細胞培養上清導入 (StemProLotion) | 慎重 対応 (※3) |
慎重 対応 (※3) |
慎重 対応 (※3) |
※1:妊娠中、授乳中、現在妊娠の可能性がある、今後妊娠を希望している、または妊娠の可能性がある、などの場合は、原則として非常に慎重な判断を要し、治療の必要性が副作用の危険性を十分に上回ると医師が判断した場合にのみ投与が考慮されることがあります。
※2:更年期以降の高齢女性など、今後妊娠や授乳の可能性が否定できる場合で、治療の必要性が副作用の危険性を十分に上回ると医師が判断した場合にのみ投与が考慮されることがあります。
※3:幹細胞培養上清液およびエクソソーム等を用いる医療については、厚生労働省から注意喚起がなされています。現時点で、これらを用いた医療について、諸外国を含め有効性・安全性が示され、薬事承認を得て製造販売されている医薬品はありません。そのため、標準治療として確立した方法ではなく、医師が補助的治療として適否を判断します。
①成人男性では、診察結果に応じて複数の治療法が選択肢となることがあります。
②女性で、妊娠の可能性がある場合は、使用できる治療選択肢が限られます。未承認治療を含む各治療の適否は、妊娠・授乳の可能性、治療の必要性、安全性を踏まえて医師が慎重に判断します。
③女性で、更年期以降など妊娠する可能性がない場合で、AGA家系であるときはフィナステリドやデュタステリド、ARAなどの選択肢が増えることがあります。
①②③いずれの場合でも治療の必要性と副作用の危険性などを医師が総合的に判断して適切な治療の組み合わせを選択します。
男性型脱毛症(AGA)治療薬一覧表
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| 一般名 | 分類 | 投与法 | 一般薬剤名 | 当院採用薬 | 血中 半減期 の目安 |
作用機序 | 一般成分としての 承認状況 |
当院採用薬 の承認状況 |
|
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 詳しく見る | フィナステリド | 進行抑制 | 内服 | プロペシア | F Tablets 1.3 F Tablets 3.0 |
6〜8時間 | DHT産生抑制 | 承認あり | 承認用量外 |
| 詳しく見る | 外用 | M/F HomeCare Ge | DHT産生抑制 | 未承認 | 未承認配合外用剤 | ||||
| 詳しく見る | デュタステリド | 進行抑制 | 内服 | ザガーロ | 3〜5週間 | DHT産生抑制 | 承認あり | ||
| 詳しく見る | 進行抑制 | 導入 | ARA/D active Powder | DHT産生抑制 | 未承認 | 未承認 | |||
| 詳しく見る | ミノキシジル | 発毛促進 | 内服 | M Tablets 1.25 M Tablets 2.5 |
4時間 | 血流改善成長期延長 | 未承認 | 未承認 | |
| 詳しく見る | 外用 | リアップ | M/F HomeCare Gel | 22時間(皮膚内) | 血流改善 成長期延長 |
承認あり | 未承認配合外用剤 | ||
| 詳しく見る | 導入 | Active Booster M 0.5% | 血流改善 成長期延長 |
未承認 | 未承認 | ||||
| 詳しく見る | スピロノラクトン | 進行抑制 | 内服 | アルダクトン | 10〜35時間(活性代謝 | アンドロゲン受容体阻害 | AGA適応としては 未承認 |
||
| 詳しく見る | ARA | 進行抑制 | 導入 | ARA/D active Powder | アンドロゲン受容体阻害 | 未承認 | 未承認 | ||
| 詳しく見る | 幹細胞培養上清 | 育毛補助 | 外用 | StemProLotion | 成長因子 毛包刺激 |
未承認 | 未承認 | ||
| 詳しく見る | 幹細胞培養上清 | 育毛補助 | 導入 | StemProLotion | 成長因子 毛包刺激 |
未承認 | 未承認 |
注意事項
- AGAの治療は、薬機法(医薬品医療機器等法)に基づく承認の有無に関わらず、すべて健康保険適用外(自由診療)となります。AGAは生命や身体機能に直接影響する疾患ではないと位置づけられており、健康保険の適用対象外とされているためです。
- AGAは進行性の脱毛症であるため、治療効果の評価には通常6か月以上の継続治療が必要とされています。また、治療を中止した場合には、再び脱毛が進行する可能性があります。
- 幹細胞培養上清液およびエクソソーム等を用いる医療については、厚生労働省から注意喚起がなされています。現時点で、これらを用いた医療について、諸外国を含め有効性・安全性が示され、薬事承認を得て製造販売されている医薬品はありません。
- すべてのAGA治療において、施術・処方の適応や、用法・用量は医師の診察結果に基づいて判断されます。
- 効果や副作用の現れ方には個人差があります。副作用を疑う症状の自覚があれば医師に相談することが必要です。
エレクトロポレーション法による薬剤の導入
皮膚に微弱な電気パルスを与えて角質層の透過性を一時的に高めることで有効成分の導入を補助する方法です。薬剤の経皮導入を補助する施術として用いられることがあります。
フィナステリド内服
フィナステリドは5α還元酵素の働きを抑制することでDHTの産生を抑え、AGAの進行を抑制することを目的とした治療薬です。5α還元酵素にはⅠ型とⅡ型がありますが、フィナステリドは主にⅡ型のみを阻害します。
| 薬機法 | フィナステリド内服はAGA治療薬として薬機法で承認されています。ただし、当クリニック採用薬であるF Tablets 1.3(フィナステリド1.3mg)およびF Tablets 3.0(フィナステリド3.0mg)は、国内承認用量とは異なる規格であり、医師の判断のもとで使用します。 |
|---|---|
| 主な副作用 | 性欲減退、勃起機能不全、射精障害、乳房の圧痛、女性化乳房、抑うつ症状、肝機能障害などがあります。症状がみられる場合には医師に相談することが必要です。 |
| 服用できない場合 | 胎児の男性外性器発育に影響する可能性があるため、妊娠中または妊娠の可能性がある女性には投与できません。またこのような可能性がある女性は、錠剤に触れて割ったり砕いたりすることもしないよう注意喚起されています。 |
当クリニックとしての考え方と採用の有無
当クリニックで採用
ガイドラインでは男性型脱毛症に対して推奨度A(行うよう強く勧める)であり、当クリニックでも治療法として採用しています。
| 用法・用量 | 当クリニックでは通常F Tablets 1.3(フィナステリド1.3mg)あるいはF Tablets 3.0(フィナステリド3.0mg)を1回1錠、1日1回で処方していますが、医師の判断で調整することがあります。食事の影響は少ないため服薬時間は特に定められていません。食前・食後いずれでも可ですが、毎日同じ時間帯に服用することが推奨されます。 |
|---|
フィナステリド外用
有効成分を頭皮から局所的に作用させることを目的として用いられる場合があります。内服では全身的な副作用が発生することがありますが、外用では作用範囲が主に局所であるため全身的な副作用が発生しにくい可能性があります。
| 薬機法 | AGA治療として薬機法で承認されていません。そのため、フィナステリドが外用で使用される場合は、医師の判断による適応外使用や海外製剤の個人輸入などの形になります。 |
|---|---|
| 主な副作用 | 頭皮の赤み、かゆみ、接触皮膚炎、乾燥感などがあります。また、有効成分が吸収されて全身に影響する可能性があるため、まれにフィナステリド内服と同様の全身副作用が認められることがあります。症状がみられる場合には医師に相談することが必要です。 フィナステリド内服の副作用 |
| 使用できない場合 | フィナステリド内服と同様です。 フィナステリド内服の服用できない場合 |
当クリニックとしての考え方と採用の有無
当クリニックで採用
ガイドラインでは推奨項目に含まれていません。つまり、標準治療としては位置付けられていません。しかし、研究数はまだ多くないものの、ランダム化比較試験(RCT)がいくつか報告されており、主な知見として
- フィナステリド外用は頭皮DHTを有意に低下させる
- 毛髪数の増加などで内服に近い効果を示す可能性がある
- 血中フィナステリド濃度は内服より低く、全身性副作用が少ない可能性がある
などを示唆する報告があります。そのため、主に次のケースで検討されることがあります。
- 内服治療を希望しない場合
- 内服治療の副作用が心配な場合
- 内服薬に加えて補助療法として行う場合
- 妊娠の可能性がない女性の脱毛症の場合
これらの知見を踏まえ、治療の選択肢を増やすことを目的として、当クリニックではフィナステリド外用を治療法として採用しています。
| 用法・用量 | 当クリニックでは通常M/F HomeCare Gel(ミノキシジル10%とフィナステリド0.5%を配合)を患部に1回1mlを1日2回塗布しますが、医師の判断で調整することがあります。 通常のAGA外用薬には溶媒として、そして殺菌作用や清涼感をもたらす目的で60%程度のエタノールが含まれています。これに対してM/F HomeCare Gelでは5%であり、頭皮への刺激や乾燥に配慮がなされています。 |
|---|
デュタステリド内服
デュタステリドはフィナステリドと同様に5α還元酵素の働きを抑制する作用を持つ薬剤で、AGAの進行抑制を目的として使用されます。5α還元酵素にはⅠ型とⅡ型がありますが、デュタステリドはⅠ型とⅡ型の両方を阻害するため、DHTの産生過程をより広く抑制するとされています。
| 薬機法 | AGA治療薬として薬機法で承認されています。 |
|---|---|
| 用法・用量 (一般的な例) |
通常1日1回0.1mg、必要に応じて0.5mgが処方されます。 |
| 主な副作用 | 性欲減退、勃起機能不全、射精障害、乳房の圧痛、女性化乳房、抑うつ症状、肝機能障害などがあります。症状がみられる場合には医師に相談することが必要です。 |
| 服用できない場合 | 妊娠中または妊娠の可能性がある女性(胎児の男性外性器発育に影響する可能性があるため) |
当クリニックとしての考え方と採用の有無
当クリニックでは不採用
デュタステリド内服はガイドラインでは推奨度A(行うよう強く勧める)です。すなわち、効果が確認されているということになります。
しかし、内服薬として投与する場合は、全身的な副作用について考慮する必要があります。
デュタステリドの血中半減期は3〜5週間と長いため、内服薬として投与すると副作用が出現した際に服薬を中止しても、比較的長期間に渡って副作用が続いてしまう可能性があると考えます。そのため、デュタステリドを内服で投与することは当クリニックでは治療法としてあえて採用していません。AGAの進行抑制が目的であれば、血中半減期が6〜8時間と短いフィナステリドのほうが有用であると考えています。
デュタステリド導入(エレクトロポレーション法)
成分の頭皮への浸透を補助することを目的として、エレクトロポレーション法(電気穿孔法)と呼ばれる技術を用いてデュタステリドを頭皮へ導入する施術が行われることがあります。
| 薬機法 | エレクトロポレーション法によるデュタステリドの導入は、AGA治療として薬機法で承認されていません。そのため、医師の判断による適応外使用や海外製剤の個人輸入などの形になります。 |
|---|---|
| 主な副作用 | デュタステリド内服と同様の副作用が生じる可能性があります。 症状がみられる場合には医師に相談することが必要です。 デュタステリド内服の主な副作用 |
| 使用できない場合 | デュタステリド内服と同様です。 デュタステリド内服の服用できいない場合 |
当クリニックとしての考え方と採用の有無
当クリニックで採用
ガイドラインでは推奨項目に含まれていません。つまり、標準治療としては位置付けられていません。しかし、長所として、導入療法は局所投与であるため全身作用が発現しにくいことがあると当クリニックでは考えています。また、外用と比べて成分の頭皮への浸透を補助できることがあります。短所として、定期的に通院して施術を受ける必要があることが問題です。
デュタステリドの血中半減期は3〜5週間と長いことが特徴です。
| 用法・用量 | 当クリニックでは通常ARA/D Active Powder(ARAとデュタステリド0.05%を配合)をエレクトロポレーション法で導入します。用量は医師の判断で調整することがあります。 |
|---|---|
| 施術頻度 | 施術頻度は使用薬剤、頭皮の状態、治療経過を踏まえて医師が判断します。当クリニックでは2〜4週間に1回程度で行うことがあります。 |
ミノキシジル内服
ミノキシジルは、もともと高血圧症治療薬として開発された血管拡張薬であり、毛包周囲の血流を増加させることがあります。使用中に多毛がみられることがあったことから、発毛治療に応用されるようになりました。
| 薬機法 | 外用薬は発毛治療薬として承認されていますが、AGA治療における内服薬としては承認されていません。そのため、医師の判断のもとで適応外使用や海外製剤の個人輸入などの形で処方される場合があります。 |
|---|---|
| 主な副作用 | 血管拡張作用に由来する副作用が報告されており、多毛症、動悸、むくみ、低血圧、頭痛、心嚢液貯留(心タンポナーデ)、心機能への影響などがあります。 症状がみられる場合には医師に相談する必要があります。 |
| 服用できない場合 | 以下の場合は医師による判断が必要です。 心疾患、低血圧症、腎機能障害、妊娠中または授乳中など |
当クリニックとしての考え方と採用の有無
当クリニックで採用
ガイドラインでは推奨度D(行うべきではない)です。
その理由は下記の2つです。
- ミノキシジルはもともと血管拡張作用を持つ降圧薬として開発された薬剤であり、その臨床応用時に全身性の副作用があることが確認されている
- ガイドライン作成時点で大規模臨床試験の結果や長期安全性データが十分ではないため、エビデンスが不足している
ミノキシジルを降圧薬として使用する場合の投与量は、初期投与量が5mg/日で、通常量が10〜40mg/日で、最大量が100mg/日の高用量とされています。高用量で使用される場合の全身副作用は、多毛症、動悸、むくみ、低血圧、頭痛、心嚢液貯留(心タンポナーデ)、心機能への影響などですが、多毛症以外の副作用の頻度が少ないと示唆されている報告があります。ただし、効果や副作用の現れ方には個人差があります。
これに対してAGA治療目的で使用される場合の投与量はおおよそ5mg/日以下の低用量とされており、AGA治療で使われる用量は降圧治療の約1/10〜1/40程度と推定されます。重大な副作用の発生頻度や程度は投与量依存性に変化する可能性があります。
また、近年は海外を中心に低用量ミノキシジル内服の研究が増えており、0.25〜5 mg/日の低用量での有効性・安全性を示す報告も増えています。
そのため実際の臨床では、外用が使えない場合や外用で効果が不充分な場合に医師の管理下で処方されることがあります。ただし、日本では依然として未承認薬およびガイドライン非推奨である、という位置付けに変わりはありません。したがって、医師の判断のもとに自由診療として処方される場合がある、という認識です。
当クリニックでは、未承認薬かつガイドライン非推奨であることを踏まえたうえで、必要時に医師の管理のもと治療選択肢として検討することがあります。ただし、AGA治療薬として内服で投与する場合は、多毛症と循環器系の副作用に十分に注意する必要があります。
| 用法・用量 | 当クリニックではM Tablets 1.25(ミノキシジル1.25mg)あるいはM Tablets 2.5(ミノキシジル2.5mg)を1回1錠、1日1回で処方することがありますが、医師の判断で調整することがあります。食事の影響は少ないため服薬時間は特に定められておらず、食前・食後いずれでも可です。ミノキシジルには血管拡張作用があり、服薬後に血圧低下感や軽いめまいが生じる可能性があるため、活動中より就寝前のほうが安全面で配慮しやすいとされています。 |
|---|
ミノキシジル外用
外用薬として頭皮に塗布することで、毛髪の成長に影響する可能性があるとされています。
| 薬機法 | ミノキシジル外用薬には国内承認製剤があります。ただし、当クリニック採用薬であるM/F HomeCare Gelはミノキシジル10%とフィナステリド0.5%を配合した未承認配合外用剤です。 |
|---|---|
| 主な副作用 | 頭皮の赤み、かゆみ、接触皮膚炎、乾燥感などがあります。また、有効成分が吸収されて全身に影響する可能性があるため、まれにミノキシジル内服と同様の全身副作用が認められることがあります。症状がみられる場合には医師に相談することが必要です。 ミノキシジル内服の主な副作用 |
| 使用できない場合 | ミノキシジル内服と同様です。 ミノキシジル内服の服用できない場合 |
当クリニックとしての考え方と採用の有無
当クリニックで採用
ガイドラインでは男性5%、女性1%のミノキシジル外用が推奨度A(行うよう強く勧める)とされています。ただし、当クリニック採用薬であるM/F HomeCare Gelはミノキシジル10%とフィナステリド0.5%の未承認配合外用剤です。
| 用法・用量 | 当クリニックでは通常M/F HomeCare Gelを患部に1回1mlを1日2回塗布しますが、医師の判断で調整することがあります。 |
|---|
ミノキシジル導入(エレクトロポレーション法)
成分の頭皮への浸透を補助することを目的として、エレクトロポレーション法(電気穿孔法)と呼ばれる技術を用いてミノキシジルを頭皮へ導入する施術が行われることがあります。
| 薬機法 | エレクトロポレーション法によるミノキシジルの導入は、AGA治療として薬機法で承認されていません。そのため、医師の判断による適応外使用や海外製剤の個人輸入などの形になります。 |
|---|---|
| 主な副作用 | ミノキシジル外用と同様の副作用が生じる可能性があります。 ミノキシジル外用の主な副作用 |
| 使用できない場合 | ミノキシジル内服と同様です。 ミノキシジル内服の服用できない場合 |
当クリニックとしての考え方と採用の有無
当クリニックで採用
ガイドラインでは推奨項目に含まれていません。つまり、標準治療としては位置付けられていません。しかし、長所として、導入療法は局所投与であるため全身作用が少ないことが示唆されている報告があります。また、通常のミノキシジル外用はガイドラインでは推奨度Aですが、ミノキシジル導入は外用と比べて成分の頭皮への浸透を目的として用いられることがあると当クリニックは考えています。
短所として、定期的に通院して施術を受ける必要があることが問題です。
| 用法・用量 | 当クリニックでは通常Active Booster M 0.5%(ミノキシジルを配合)をエレクトロポレーション法で導入します。用量は医師の判断で調整することがあります。 |
|---|---|
| 施術頻度 | 施術頻度は状態に応じて設定されますが、当クリニックでは2〜4週間に1回程度の頻度で行うことがあります。 |
スピロノラクトン
もともとは利尿薬として開発された薬剤ですが、アンドロゲン受容体阻害作用をもつことから、女性の脱毛症に対して使用されることがあります。男性の場合は抗アンドロゲン作用によって女性化乳房や性機能への影響が生じる可能性があるため、AGA治療薬として用いられることは一般的ではありません。
| 薬機法 | 高血圧や浮腫などの治療薬として薬機法で承認されていますが、AGA治療薬としては承認されていません。 |
|---|---|
| 用法・用量 | AGA治療における服用方法や用量は医師の判断によって調整されます。 |
| 主な副作用 | 月経異常、乳房痛、高カリウム血症、低血圧、多尿など |
| 使用できない場合 | 以下の場合は医師による判断が必要です。 高カリウム血症、重度腎機能障害、妊娠中など |
当クリニックとしての考え方と採用の有無
当クリニックでは不採用
ガイドラインでは推奨項目に含まれていません。つまり、標準治療としては位置付けられていません。
女性の脱毛症に対して使用されることがありますが、男性の場合は性機能などへの副作用が生じる可能性があるため、AGA治療薬として用いられることは一般的ではありません。
当院でもAGA治療薬としては採用していません。
ARA導入(エレクトロポレーション法)
毛包にあるアンドロゲン受容体(androgen receptor:AR)は、受容体にDHTなどの男性ホルモンが結合することで活性化してAGAの要因の一つとなります。アンドロゲン受容体阻害薬(androgen receptor antagonist:ARA)は、ARへ男性ホルモンが結合することを阻害する薬剤です。ARAは、この作用によってAGAを抑制すると考えられています。しかし、ARAを全身投与すると、副作用として性機能障害や男性の女性化を引き起こすことがあります。そこで、全身への影響をできるだけ避けるために、エレクトロポレーション法を用いて頭皮に局所的に作用させる方法が取られる場合があります。
| 薬機法 | エレクトロポレーション法によるARAの導入は、AGA治療として薬機法で承認されていません。そのため、医師の判断による適応外使用や海外製剤の個人輸入などの形になります。 |
|---|---|
| 主な副作用 | 頭皮の赤み、かゆみ、接触皮膚炎、乾燥感などがあります。また、有効成分が吸収されて全身に影響する可能性があるため、性機能障害や男性の女性化などを生じる可能性は否定できません。症状がみられる場合には医師に相談することが必要です。 |
| 使用できない場合 | アレルギー反応が生じた場合など。 |
当クリニックとしての考え方と採用の有無
当クリニックで採用
ガイドラインでは推奨項目に含まれていません。つまり、標準治療としては位置付けられていません。しかし、長所として、導入療法は局所投与であるため全身副作用が発現しにくいことがあると当クリニックでは考えており、AGA治療の選択肢の一つとして採用しました。
短所として、定期的に通院して施術を受ける必要があることが問題です。
| 用法・用量 | 当クリニックでは通常ARA/D Active Powder(ARAとデュタステリドを配合)をエレクトロポレーション法で導入します。用量は医師の判断で調整することがあります。 |
|---|---|
| 施術頻度 | 施術頻度は状態に応じて設定され、施術間隔は使用薬剤や頭皮の状態を踏まえて医師が判断します。そのため、2〜4週間に1回程度の頻度で行われることがあります。 |
幹細胞培養上清液外用
幹細胞培養上清液は、幹細胞を培養した際に培養液中へ分泌された成分を含む上澄み液です。一般に、成長因子、サイトカイン、タンパク質、細胞外小胞などを含む可能性があるとされ、頭皮環境や毛包周囲の環境に影響を与える可能性が指摘されています。ただし、AGAに対する有効性については研究段階の部分が多く、明確な改善効果が確立しているわけではありません。
| 主な副作用 | 刺激感、赤み、かゆみ、接触皮膚炎、毛嚢炎など |
|---|
当クリニックとしての考え方と採用の有無
当クリニックで採用
幹細胞培養上清液は生理活性物質などを含むため、頭皮環境や毛包周囲の環境に影響を与える可能性が指摘されています。ただし、AGAに対する有効性については研究段階の部分が多く、明確な改善効果が確立しているわけではありません。しかし、FAGA、特に若年女性におけるFAGAについては治療選択肢が限られる場合があるため、医師の診断と判断のもとで補助的治療として適否を慎重に考慮します。
| 薬機法 | 本治療はAGA治療として薬機法で承認されていません。AGA治療において補助的に用いられることがありますが、標準治療として確立された方法ではなく、育毛補助の効果を保証するものではありません。医師の判断による適応外使用となり、効果には個人差があります。 なお、幹細胞培養上清液およびエクソソーム等を用いる医療については、厚生労働省から注意喚起がなされています。現時点で、これらを用いた医療について、諸外国を含め有効性・安全性が示され、薬事承認を得て製造販売されている医薬品はありません。 |
|---|---|
| 用法・用量 | 当クリニックでは国産のStemProLotion(ヒト幹細胞培養上清液10%配合、セレーネメディカル社製)を外用剤として使用します。医師の診察による経過観察は重要ですが、自宅で外用使用できるため、頻回の受診の必要性は低いと考えられます。適応や用法・用量は医師の判断で調整することがあります。 |
幹細胞培養上清液導入
幹細胞培養上清液を頭皮へ塗布し、経皮導入機器(エレクトロポレーション法)を用いて導入を補助する施術です。
| 主な副作用 | 刺激感、赤み、かゆみ、接触皮膚炎、毛嚢炎など |
|---|
当クリニックとしての考え方と採用の有無
当クリニックで採用
幹細胞培養上清液を頭皮へ塗布し、経皮導入機器(エレクトロポレーション法)を用いて導入を補助する施術です。幹細胞培養上清液の外用使用と比べて成分の頭皮への浸透を目的として用いられることがありますが、短所として、定期的に通院して施術を受ける必要があります。
| 薬機法 | 本治療はAGA治療として薬機法で承認されていません。AGA治療において補助的に用いられることがありますが、標準治療として確立された方法ではなく、育毛補助の効果を保証するものではありません。医師の判断による適応外使用となり、効果には個人差があります。 なお、幹細胞培養上清液およびエクソソーム等を用いる医療については、厚生労働省から注意喚起がなされています。現時点で、これらを用いた医療について、諸外国を含め有効性・安全性が示され、薬事承認を得て製造販売されている医薬品はありません。 |
|---|---|
| 用法・用量 | 当クリニックでは国産のStemProLotion(ヒト幹細胞培養上清液10%配合、セレーネメディカル社製)を使用して、エレクトロポレーション法を用いて導入します。適応や用法・用量は医師の判断で調整することがあります。 |
| 施術頻度 | 施術頻度は状態に応じて設定されますが、2〜4週間に1回程度の頻度で行われることがあります。 |
薬物療法に関する一般的な治療方針について
日本皮膚科学会によって作成された「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」2017年版(第2版)に基づいて記載します。
| 内服治療 | ガイドラインに おける推奨度 |
|
|---|---|---|
| フィナステリド内服 | 男性型 脱毛症 |
A:行うよう強く勧める |
| 女性型 脱毛症 |
D:行うべきではない | |
| デュタステリド内服 | 男性型 脱毛症 |
A:行うよう強く勧める |
| 女性型 脱毛症 |
D:行うべきではない | |
| ミノキシジル内服 | 男性型 脱毛症 |
D:行うべきではない |
| 女性型 脱毛症 |
D:行うべきではない | |
| 外用治療 | ガイドラインに おける推奨度 |
|
| ミノキシジル外用 | 男性型 脱毛症 |
A:行うよう強く勧める(5%ミノキシジル) |
| 女性型 脱毛症 |
A:行うよう強く勧める(1%ミノキシジル) | |
当クリニックのAGA治療方針について
当クリニックでは上述の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」2017年版(第2版)を参考とし、さらに当クリニックとしての意見を併せ考えて、治療の基本方針を以下のように策定しています。
1.医師による診察と診断
薄毛の進行状況、家族歴、既往歴、生活習慣、現在の内服薬などを確認し、AGAの進行抑制や毛髪の状態の維持・改善を目的として、医師が診察して診断したうえで治療方法を提案します。
2.治療方法の選択
治療方法には、内服薬、外用薬、頭皮への導入療法などがあり、単独または組み合わせて行う場合があります。なお、治療の適応、使用する薬剤・製剤、用法・用量、施術間隔は医師が判断します。
3.AGA治療における導入方法の選択について
AGA治療における導入療法は、発毛や毛包環境の改善を目的として有効成分を頭皮へ直接注入する治療法の総称です。注射や専用機器などが用いられ、一般的な外用薬や内服薬と異なり有効成分を毛包周囲に直接届けることを目的とした施術として行われることがあります。
①注射によるメソセラピー
細い注射針を用いて、頭皮に薬剤を直接注入する方法です。
| 長所 | 薬剤を毛包近くへ、比較的確実に届けられる可能性があります。 |
|---|---|
| 短所 | 注射による痛みを伴う場合があります。注射針による侵襲を伴うため、痛み・内出血・炎症などが生じる可能性があります。 |
②機械式インジェクター
専用機器を用いて、一定の深さと量で薬剤を注入する方法です。
| 長所 | 注入量や深さを均一に調整でき、手技によるばらつきが少ないとされています。 |
|---|---|
| 短所 | 痛みを伴う場合があり、侵襲を伴うため、痛み・内出血・炎症などが生じる可能性があります。 |
③ジェットインジェクター
高圧のガスや液体を用いて薬剤を頭皮へ噴射し、皮膚内へ導入する治療法です。ジェットインジェクターやジェットメソセラピーなどと呼ばれます。
| 長所 | 針を使用せずに薬剤を皮膚内へ導入することができます。 |
|---|---|
| 短所 | 強い痛みを伴う場合があり、侵襲を伴うため、痛み・内出血・炎症などが生じる可能性があります。 |
④エレクトロポレーション法
電気パルスで皮膚の浸透性を一過性に亢進させて薬剤を導入します。
| 長所 | 痛みが少ないことがあります。分子量の大きな薬剤でも導入することができることがあります。 |
|---|---|
| 短所 | 専用の機器とエレクトロポレーション用の薬剤が必要です。 |
⑤当クリニックにおける導入方法
当院は導入用エレクトロポレーション機器として国産機器としてメソナJ(セレーネメディカル社製)を保有しています。また、導入薬剤として使用する幹細胞培養上清液はセレーネメディカル社製で国産の薬剤です。ただし、薬機法(医薬品医療機器等法)の承認を得たものではありませんので、使用に際しては医師の判断による適応外使用(自由診療)となり、効果には個人差があります。
4.内服・外用・エレクトロポレーション導入のそれぞれの特徴、長所および短所
| 内服 | 自宅で継続して服薬する治療です。 長所:治療の継続が比較的容易とされています。 短所:全身作用があるため医師の管理が必要です。 |
|---|---|
| 外用 | 自宅で通常1日2回の外用を継続する治療です。 長所:局所投与であるため全身作用が少ないことが示唆されている報告があります。 短所:発汗などで効果が影響される場合があり、頭皮のべたつきなどの不快感を感じることがあります。 |
| 導入 | 医療施設で定期的に施術を受ける治療です。 長所:局所投与であるため全身作用が少ないことが示唆されている報告があります。また、外用と比べて成分の頭皮への浸透を目的として用いられることがあります。 短所:施術の都度、医療施設を受診することが必要となります。したがって、半減期が短い薬剤を導入で使用すると、頻回の通院が必要になることが短所として挙げられます。 |
よくある質問
※ご不明点がある場合は診察時に医師へご相談ください。
AGAは治りますか?
AGAは進行性の脱毛症であり、完全に治癒する治療は確立されていません。治療により進行を抑制したり、毛髪の状態を改善することを目的として治療が行われます。
どのくらいで効果が出ますか?
効果の現れ方には個人差があります。一般的に毛髪の変化を確認するまでには数か月程度かかることがあります。
導入による治療では痛みはありますか?
導入方法によって異なります。エレクトロポレーションでは軽い刺激感程度のことが多いですが、注射やインジェクターを用いる場合には痛み、赤み、内出血などが生じることがあります。